空想家πはティーカップで眠る

とても愉快な夢を見ていたのに、目が覚めた途端に忘れてしまったよ。
実に惜しいことをした。これはもう、二度寝をするしかない。

Until I die 2021/04/14


嘘でもいいの

わたしのためなら

何でもできるって

そう言って

聞こえない振りはしないで

ただ抱きしめて

わたしが必要なんだって

そう言って欲しいの

 

子守歌でも歌うように

優しい声で呼んで

 

標本箱の中

わたしの背中を

ピンで貫くように

 

悲しい話はいやよ

わたしは耐えられない

しあわせなお話で

埋め尽くして欲しいの

優しい嘘で誤魔化してつき通して

わたしが眠るまで

わたしが死ぬまで

 

つまらないプライドは

捨て去って欲しいの

 

わたしのためなら

恥も外聞もなく

必死になって

 

嘘でもいいの

わたしのためなら

何でもできるって

そう言って

明日の朝も隣にいてね

お願い

夜に飲み込まれてしまう

この手を離さないで

 

あなたはまさに

わたしだけのヒーロー

だからわたしは

あなたのためだけのヒロイン

お話はきっと

ハッピーエンドでしょ

嘘でもいいの

 

悲しい話はいやよ

わたしは耐えられない

しあわせなお話と

たくさんのキスを頂戴

傷ついても

本当の言葉がいい

なんて言うつもりもないの

わたしは優しいあなたがいい

 

優しい嘘を絶対に気づかせないで

わたしが眠るまで

わたしが死ぬまで


髑髏と薔薇 2021/04/09


三日月のナイフで切りつけた

星々が乱れ流れ

わたしの頭上に落ちてきた

よくもそんな冗談が言えたもんだね

 

髑髏の眼下に咲く薔薇は

深紅の花びらをまき散らし

あなたと抱き合いながら潰して

ああ、甘美な時間

 

愛してなんかないよ

吐き気がするだけ

都合のいい愛してるを

繰り返して 繰り返して

 

死ねば終わるさ

そういうもんだろ

ただの暇つぶしさ

そういうもんだろ

 

咲き乱れた花の蜜に

甘く溺れ沈みゆく

わたしは踏み外していくの

官能的な落下音

 

わたしのことを見つめて

舌でどうぞ絡めとって

都合よく使って下さい

柔くとも至れり尽くせり

 

生きてもどうせ

そんなもんだろ

マトモなふりして

そんなもんだろ

 

死ねば終わるさ

そういうもんだろ

ただの暇つぶしさ

それだけだよ


I am bored 2021/04/03


愛してる?

あーそう

抱きしめる?

あーそう

夜は長いよ

そんなつまらない話で埋められるほど

容量は少なくないの

もう少し楽しいお話してくれない?

このままじゃ退屈で死んじゃう

あたしを愛してるなんて浸ってないで

現実を見て頂戴

幻のあたしに愛を囁いてないで

気持ち悪いのよ

あたしはそう

簡単に開いて

ぐちゅぐちゅの傷口も

抉ってもらって

それで悦ぶような女よ

愛してる?

あーそう

抱きしめる?

あーそう

だから退屈なんだってば

そればかりを繰り返して

あなたはロボットかなにかなの?

誰でもいいわけじゃないって言うけど

疑わしいものね

さっきから同じことばかり

誰に対してもそうなんじゃないの

愛してる?

あーそう

抱きしめる?

あーそう

もう面倒臭いんだけど

帰っていいかしら


Just kidding 2021/04/01


I love you なんて

言ってみたところで

 

この期に及んで

なにをしようと

 

ご機嫌に歌う

女の子のスカートを踏んで

泣いたその子の頬にキスをして

 

散る花をむしって

むしゃむしゃと食べよう

きっと子宮からは妖精が出てくる

 

Just kidding なんて

あまりに本気な

 

この期に及んで

なにをしようと

 

欲しくて泣いた

あのおうちから盗んでこよう

お兄ちゃんと計画を立てた

 

約束しようね

その内容はあまりに魅力的で

破って針を飲むのが決まってる

 

I love you なんて

言ってみたところで

 

I hate you なんて

言ってみたいだけの

 

この期に及んで

なにをしようと

 

Just kidding

冗談だって

嘘に変える

 

あまりに本気な

この期に及んで

 

分かったわ!

馬鹿になってあげる!

 

そんな君に I love you

もう殺してしまいたい


淡雪の想い出 2021/03/25


遠い昔のおとぎ話

秘密の国のお姫様は

森に迷い込んで

忘れ得ぬ恋をして

変わりゆく季節に恐怖して

銀の針を飲みました

 

愛していると囁いて

この身体を抱きしめて

強く柔らかく

陽は昇り落ちていく

月の陰に隠れて

泡沫の夢を見る

 

わたしは目を閉じて

静かに息をする

髪を梳いてくれる

あなた優しい指

記憶に刻み込んで

 

夢の中あなたの手が首にかかる

手繰り寄せたのは悲しい結末

痣は切なさを湛えて

指を切り落とされた空が赤い雨を

 

儚い想い出

淡雪のように溶けて

 

新たなおとぎ話を語りはじめた

時を超え繋がっている

天鵞絨の棺の中

眠っていたお姫様

ひとりきり目覚めて

 

秘密の国の番人

気づかれないように

茨の森を抜けて

時をさかのぼって

あなたのもとへ

 

お城で骸骨の侍女たちが

気づくのは時間の問題で

棺のベットが空っぽなこと

女王様は鏡に聞くのよ

 

あの子はどこにいるの

どうせまた

そうなんでしょ

 

眠っていた時間を取り戻すよう

愛し合ってもわたしは獣

いつかあなたは我に返り

わたしを愛せはしなくなるでしょう

 

どんな姿であったとしても

君であることに違いはない

そんな奇麗事も言えなくなるわ

醜い牙と毛むくじゃらの身体

 

そんなことはないさ

そんなことはないから……

 

たとえばあなたのキスで

たとえばあなたの愛で

天使へと生まれ変われたら

あなたを離しはしないのに

 

わたしがあなたを信じ切れずに

あなたの愛にこたえられずに

ただの獣に戻りたいと泣いて

あなたを困らせる日が来るとして

 

あなたはどうか幸せでいてね

わがままにわたしは祈ってる

約束の代わりに

切り落とした指をあなたに贈るわ

 

天鵞絨の棺に

淡雪が降り注ぐ



あなたはきっと言わない

君のためなら死ねる、なんて

 

言わなくていいよ

分かってる

そこまでじゃないことくらい

 

置いてきた季節を

繋ぎながら

また積み上げられたなら

 

泣いてばかりのわたしを

慰めてばかりのあなたを

せめて今日の日は笑顔で

此処に居ます

此処に居たいです

 

忘れないよって言ってたね

わたしはすぐに忘れちゃうのに

 

記念日も

誕生日も

昨日見た夢は覚えてるのに

 

何処に行きたい?

そうだなあ

ゆっくり歩きたいな

 

あなたは明日が来ることを

当たり前のことだと思ってる

わたしに明日が来ることも

当たり前になればいいのに、と

 

あなたの夢はなあに?

 

どうかそばに居させて

お邪魔じゃなければ

そんな風に遠慮するのは

やめます

わたしは此処に居たいです

 

泣いてばかりだったけど

慰められてばかりだったけど

これからもそうかもだけど

此処に居ます

此処に居たいです


Flower blooming 2021/03/21


静かだな

雨の音もしない

草木の囁きだけ

髪に花飾り

しあわせになれよ

光揺らす風

 

ゆるりと

薄れゆく思い

偲んだ恋心

切っ先に

指を這わせて

泣いたのはだれ

 

Flower blooming 夢の端で

くちづけは埋もれて眠る

If you sing like a flower

ああ、きれいだな

 

夕月に

ママを呼ぶ子猫の鳴き声

空に迷う小鳥

込み上げる懐かしさ

早くお帰りよ

もう直に嵐が来る

 

解かれた

星に手向けよう

きらり涙のあと

許しを乞う

膝をついて

ただ待ってたんだ

 

Flower blooming 瞳の奥

笑ってくれるかな

If I sing like a flower

 

泣かないで

きれいだよ

丁寧な彩

聞こえるよ

生命の灯


KISS 2021/03/21


頬杖をついて眠っていた

それはどのくらいの時間か

目が覚めた瞬間に気がついた違和感

くちびるに他人の唾液が

べっとりとついていた

 

朝が来た

急げ急げと

アラームが

夢の出口

慌てて転んで後戻り

また夢の中

迷い込んだ

 

あなたとキスをしたのは

夢の中の話

それでもわたしのくちびる

熱く燃えていたの

あなたを見下したくて蹴落としたくて

なぎ倒してちぎって踏みつけて

わたしのキスであなたを突き落とすの

這い上がれないほど

出口はないわ

溺れるの

 

二度寝の誘惑

スヌーズのアラーム

夢の出口が

狭まり遠退きもう見えない

夢の中から

出たくない

 

あなたがキスをしたのは

夢の中のわたし

現実の世界のわたしにも

どうぞ致してくださいまし

わたし見下されて蹴落とされて

なぎ倒されちぎられ踏みつけられ

あなたしか見えない

出口はないの

溺れるわ



遠い空に

手をかざして

描いたの

わがままな理想

 

この背中に

翼があること

誰にも言わずに

いたけど

 

役立たずの手足と

言葉を知らない声

叶うはずの夢は何処

朝陽は昇る

 

さあ大声で歌え

僕のうた

闇を照らし出せ

恥晒せ

愛を呼んでみよう

黄金の雲の向こう

悲しみにちぎれた胸を

抱いて

 

海を行こう

風に帆を張って

ぬるい思い出が

潮風に軋んで

 

歩けたらよかった

戻れたらよかった

夜が来る度に迷う

月が照らす

 

さあ笑い飛ばせよ

僕のうた

譲れないもの

唯一つだけ

手を繋いでいよう

凪いだ空を駆ける

閉じ込められない思い

抱いて

 

いまは無い

確信を

すくい上げるように

救われない

忘れない

傷つけても

傷つけられても

 

太陽に向かって叫べ

僕のうた

一つしか選べない

ならば

涙の理由も

指切りの数も

空へと還る

放って

 

大声で歌え

僕のうた

闇を照らし出せ

恥晒せ

手を繋いでいこう

黄金の雲の向こう

忘れ得ぬ思い胸に

抱いて




【 Profile 】

黒うさぎ

Author:黒うさぎ
正しいことだけが「正しい」わけではなくて、そこから外れたこと全部を「間違っている」と頭ごなしに否定することは良くないと思う。とか言ってみては、それは今までの人生への言い訳染みたことかも知れないとも考えたり、それでもやっぱり正しさだけで生きている人間なんてどこにもいないと信じてる。


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